食事の量に気をつけよう

糖尿病患者はどれくらいの食事量を
守るべきなのか

糖尿病の食事療法で、「絶対に食べてはいけない」という食品はあまりありません。もちろん、脂質や糖質の少ない食事が推奨されていますが、決められたカロリー摂取量を守り、栄養素をバランス良く摂ることが何よりも大切です。

栄養素のバランスを整えることを
を意識しよう

適正な摂取カロリーは、体重や身体活動量(運動や日常生活の活動量)にもよるため断定できませんが、一般的には男性では1,600~2,000kcal、女性では1,400~1,800kcalの範囲と言われています。まずは、このカロリーの範囲内におさめるように意識することが大切です。

また、食事の栄養バランスを整えることも不可欠です。糖尿病の食事療法では、総カロリー摂取量の50~60%を炭水化物、タンパク質は20%、脂質は25%以下になるように調整していきます。仮に、脂質が25%を超える場合は飽和脂肪酸を減らすなどの配慮が必要になります。食事療法では、このバランスが非常に重要なのです。

食品交換表の活用が重要

糖尿病の食事療法では、適正なカロリー摂取量と栄養バランスのとれた食事をとるために、「糖尿病食事療法のための食品交換表」を活用します。

食品交換表では、食品に多く含まれている栄養素によって6つの食品グループと調味料に分けています。また、食べる量をはかるものさしとして、80kcalを1単位とし、1単位分の重量(g)も一緒に示しています。

糖尿病で通院している方はご存知かと思いますが、主治医や管理栄養士が1日の単位と振り分けを指示し、それに従って食品を選択することで、理想的な栄養バランスの食事を摂っていきます。

食品交換表の交換分類
食品の分類 食品の種類 特徴
炭水化物を多く含む食品 穀物・いも・炭水化物の多い野菜(根菜など)と種実・豆(大豆を除く) 炭水化物のうち、でんぷんを多く含む食品がメインです。米、パンなどの穀物類から、ジャガイモやサツマイモなどのいも類、カボチャなどの野菜、クリやギンナンなどの種実類も該当します。

1単位あたりの栄養素の含有量は、炭水化物18g、タンパク質2gです。
くだもの 炭水化物のうち、果糖やブドウ糖を多く含む食品です。アボカドを除く果物類がこの仲間です。

1単位あたりの栄養素の含有量は、炭水化物20gです。
たんぱく質を多く含む食品 魚介・大豆(大豆製品も含む)・卵・チーズ・肉 良質なタンパク質、ビタミンB、ミネラルが豊富で、栄養の供給源でもあります。脂質も比較的多く含まれているのが特徴です。

1単位あたりの栄養素の含有量は、タンパク質9g、脂質5gです。
牛乳・乳製品(チーズを除く) 良質なタンパク質のほか、カルシウムも豊富に含まれています。また、炭水化物のうち乳糖が含まれています。チーズを除く乳製品がこの仲間です。

1単位あたりの栄養素の含有量は、炭水化物6g、タンパク質4g、脂質5gです。
脂質を多く含む食品 油脂・脂質の多い種実・多脂性食品 肉の脂身など油脂や脂質の多い種実、アボカド、マヨネーズ、食用油などです。脂質を多く含んでいるのが特徴です。

1単位あたりの栄養素の含有量は、脂質9gです。
ビタミン・ミネラルを多く含む食品 野菜(炭水化物の多い一部の野菜を除く)・海藻・きのこ・こんにゃく 葉物野菜や、海藻、こんにゃくなどの野菜が入ります。食物繊維、ビタミン、ミネラルの供給源です。

1単位あたりの栄養素の含有量は、炭水化13g、タンパク質5g、脂質1gです。
調味料 みそ・みりん・砂糖など 調味料のほかに、カレールーなどもこの仲間です。糖質、タンパク質、脂質が含まれるものもあります。

1単位あたりの栄養素の含有量は、炭水化物12g、タンパク質3g、脂質2gです。
TOP