血糖値に効果があると言われるトクホ成分
難消化性デキストリン
とうもろこしのでんぷんを加水分解した後、その中から消化しにくいデキストリンを取り出した水溶性の食物繊維です。食事の際に摂取すると、胃の中で水分を吸って膨らみ、食べ物が胃から腸へ移動するスピードが緩やかになります。また、脂肪の吸収スピードを遅らせる作用もあるため、中性脂肪の上昇を防ぐ効果も期待できます。水に溶かすとほぼ透明で、耐熱性・耐酸性ともに優れているため、さまざまな食品に活用されています。
そのため知らないうちに多量に摂取してしまっていることがあります。食後の血糖の上昇を抑えるα-グルコシダーゼ阻害薬と同じ性質があり、併用すると重複作用により腸内ガスが増えお腹が張ってしまうことがあります。
グァバ葉ポリフェノール
グァバの葉に含まれているポリフェノールです。糖質の中の麦芽糖を分解するマルターゼ、ショ糖を分解するシュクラーゼ、糖質を分解するα-アミラーゼといった酵素の作用を阻害し、血糖値の上昇を遅らせます。分子量が5000~10000と大きいので、腸管から吸収されず腸の中で働くという特徴があります。糖の吸収を抑える作用があり、血液中のコレステロールも低下して代謝が良くなることからダイエット効果も期待できます。
過剰飲用の影響としてグァバ葉ポリフェノールの作用により分解されなかった糖によりお腹がゆるくなったり、腹部膨満感といった副作用が生じる可能性がありますので、大量に摂取するのは控えたほうが良さそうです。
小麦アルブミン
小麦粉から抽出した水イオウ性タンパク質です。唾液と膵液中のアミラーゼの働きを阻害するため糖質の消化を穏やかにし、消化・吸収のスピードを遅らせる働きがあります。その結果、食後の血糖値の上昇を抑えることができます。
注意したいのは水溶性のため小麦アルブミン自体も2時間程で消化・吸収されてしまうことです。摂取するタイミングを考えないと効果を実感することはできなくなることが考えられます。血糖コントロールの効果をうまく働かせるためには、食事直前か食事と一緒に摂ることが大切なポイントとなります。
豆鼓エキス
大豆を蒸して発酵させた天然の成分です。中国納豆とも言い、麻婆豆腐やトウチジャンの隠し味にも使われています。糖の分解に関わる消化酵素を抑える働きがあるため、糖の吸収スピードが穏やかになり、血糖値の上昇を遅らせる効果が期待できます。
糖尿病治療で処方されるα-グルコシダーゼ阻害薬と作用が似ているため、消化されなかった糖質が発酵して腸内ガスが発生しお腹が張るといった症状が出ることがあります。糖尿病の治療を受けている場合は事前に医師と相談することをおすすめします。
L-アラビノース
トウモロコシや米、甜菜、リンゴなどに含まれる糖の一種で自然界に広く分布している天然成分です。糖の分解に関わるスクラーゼと呼ばれる酵素の働きを阻害し、血糖値の上昇を緩やかにします。L-アルビノ―ス自体も分解されることがないため3回の食事にを使うと、間食や夜食に含まれる糖の吸収にも効果が持続するのが特徴です。腸まで到達すると食物繊維と同様の働きをして便秘の改善にも役立つと期待されています。
甘味料としても活用できるため、多くの食品に利用されていますが、大量に摂取するとお腹がゆるくなるなどの副作用が出ることが考えられるので注意が必要です。
以上のように、トクホは血糖値に対してある程度の効果が認められる一方で、一部のトクホ飲料では過剰摂取や糖尿病治療薬と並行して飲用すると副作用が出る可能性があります。血糖値のコントロールがかえって難しくなることが考えられるため、基本的には糖質ゼロの飲料水(天然水)の摂取から始める方が安全性は高いと言えます。