ヨーグルトと血糖値の関係

ヨーグルトと血糖値の関係

たんぱく質や脂質が含まれるものを食前に摂取することで、食後の血糖値上昇が抑えられる、との研究報告が従来からありました。

この報告をベースに、近年注目されているのがヨーグルトです。ヨーグルトには、良質のたんぱく質や脂質が豊富。従来の報告を裏付けるかのように、食前にヨーグルトを食べることが食後の血糖値上昇を抑制する、との報告が続々と上がっています。

  • ヨーグルトファーストとは
    ヨーグルトファーストとは、食事に先立ってヨーグルトを食べること。ヨーグルトに含まれるたんぱく質や脂質が、食事に含まれる糖分の吸収を緩やかにすることから、食後の血糖値の急激な上昇が抑えられると考えられています。
    食後の血糖値症状を抑える方法として、かねてからベジタブルファースト(野菜を先に食べる)という考え方がありましが、ヨーグルトファーストの血糖値上昇抑制作用は、ベジタブルファーストのそれを上回るとの実験報告もあります。

ヨーグルトファーストが持つ血糖値抑制効果の試験①:クラージュ株式会社

2018年5月、美容ブランドなどを展開するクラージュ株式会社(東京)の研究グループは、食事の前にヨーグルトを摂ることにより、食後の血糖値の上昇が抑えられるとの試験結果を報告しました。

  • 試験の内容
    健康な男女20名を被験者とし、以下の4つのグループに分類しました。
    1. A.米飯のみを摂取するグループ
    2. B.野菜サラダを食べた後に米飯を摂取するグループ
    3. C.米飯を食べた後にヨーグルトを摂取するグループ
    4. D.ヨーグルトを食べた後に米飯を摂取するグループ

検査当日、被験者全員に空腹状態の中で血糖値を測定。その後、それぞれのグループに与えられた試験食品を10分間で摂取し、摂取開始から15分後、45分後、60分後、90分後、120分後の各タイミングで血糖値を測定しました。

  • 試験の結果
    試験の結果、Aのグループに対し、B・C・Dのいずれのグループも、食後の血糖値の上昇が著しく抑えられたことを確認。特にDのグループの血糖値上昇抑制が顕著で、従来から血糖値上昇抑制が報告されているCグループと同等、またはそれ以上に食後血糖値が抑制されることが分かりました。

ヨーグルトの摂取が食後高血糖に与える影響_グラフ1
ヨーグルトの摂取が食後高血糖に与える影響_グラフ2

引用元:SankeiBiz「ヨーグルトファースト」で食後高血糖を抑制 老化や疾患の進展予防に寄与する可能性~Glycative stress researchに論文掲載~
(https://www.sankeibiz.jp/business/news/180508/prl1805081532146-n1.htm)

ヨーグルトファーストが持つ血糖値抑制効果の試験②:大人のダイエット研究所

上記のクラージュ株式会社の報告に先立って、2017年10月、一般社団法人「大人のダイエット研究所」もまた、ヨーグルトファーストによる食後の血糖値上昇抑制作用を報告しています。

  • 試験の内容
    クラージュ株式会社の例と同様、被験者を4つのグループに分類し、それぞれのグループにおける食後血糖値の推移を測定しました。
  • 試験の結果
    試験の結果は、クラージュ株式会社と同様に、ヨーグルトファーストによる食事を摂ったグループが、ベジタブルファーストによる食事を摂ったグループと同等、またはそれ以上の血糖値上昇抑制を示しました。
    また食後2時間経過時の血糖値は、ベジタブルファーストよりもヨーグルトファーストのほうが低い数値を示しました。

【コラム】飲むヨーグルトでもOK!血糖値に不安のある方は食前に摂取

以上、ヨーグルトと食後血糖値の上昇抑制に関する研究報告を2つご紹介しました。

一般にヨーグルトは、食後のデザートという位置づけで認識されています。もちろん食事の楽しみの一つとして、従来通りにヨーグルトを食後に摂取しても良いでしょう。

ただし、血糖値上昇を抑える目的でヨーグルトを摂取したい方は、食後ではなく食前に摂るほうがおすすめ。「ヨーグルトは食後のデザート」という固定観念が抜けない方は、飲むヨーグルトを選べば、食前でも抵抗なく摂ることができるかも知れません。

ヨーグルトは、血糖値上昇の抑制作用のほかにも、さまざまな効果が期待されている食品。健康と美容のため、ぜひ日常的な食習慣の中にヨーグルトを摂り入れたいものです。

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